派遣先企業から派遣会社の移籍依頼~これって受けるべき?

みなみ
派遣先企業の担当者から「派遣会社を変更してほしい」と言われたのですが、そんなこと可能なんでしょうか?しかも「内密に」とお願いされ、どうしたらいいか困っています。
れいか
派遣会社同士で派遣社員を引き抜くことはできないけど、派遣先企業からお願いされることはよくあるらしいわよ。
酒井先生
派遣先企業から派遣会社の移籍を依頼されることは法律で禁止されていませんが、いわゆる業界内のタブー・ご法度です。派遣先が内密にしたいのは、会社間取引である以上、関係を守りながら契約を終了したいからでしょう。

派遣先が派遣会社の移籍を求める理由

派遣会社の移籍依頼は派遣社員が合意すれば可能です。多くの派遣社員を抱える派遣先企業(事務系や軽作業系など)では、2つ以上の異なる派遣会社と契約をしていることもあります。派遣先企業は派遣会社を限定する必要はなく、人材を確保するためであれば何社にお願いしても構いません。

そのため派遣先企業から派遣会社の移籍依頼を受けることもよくある話なのです。

現在の派遣会社との不仲が理由

派遣社員が有能でも、派遣会社の営業担当が無能だと派遣会社の移籍を求められることがあります。

派遣会社との手続き面におけるやり取りは全て営業担当と行います。契約更新・解約手続きや派遣先からの苦情まで、こうした事務処理における遅れ・失念が多いとストレスの要因となります。会社間と言っても結局は人と人のやり取りなので、営業マンの質というのは派遣先もよく見ています。

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派遣の契約条件が悪い

派遣先企業は派遣会社が変わる度に異なる契約条件で派遣社員を雇い入れます。同じ仕事内容でも派遣料金に200円以上差が開いていることもあります。

派遣料金・マージン率が異なるのに、派遣社員の時給は同じということもあり、派遣先としては派遣会社を変更する動機になります。

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同じ派遣会社でまとめたい

同じ日に何人もの派遣社員を派遣している場合、事業所単位で抵触日を設けて1つの契約書でまとめることができます。ただ派遣会社が異なると、その度に契約書が増え契約更新の際に面倒になります。

契約条件や派遣会社との不仲に関係なく、書類上の都合で派遣会社の移籍を依頼することも多いのです。

派遣会社を実際に移籍する場合

事態が収束せずに、どうしても派遣会社を移籍するに至った場合は、次のことについて確認してから行いましょう。実際に移籍してしまうと、前の派遣会社に対して「やっぱり無かったことに」と戻ることは難しいため、その決断は慎重に行いましょう。

今の派遣会社との契約期間を終了させる

派遣先企業の方と口裏を合わせるために、自分から契約更新を望まない旨、就業中の派遣会社に伝えます。契約終了を自ら望む場合、契約期間が終了する前でも契約を打ち切ることが可能です。

みなみ
移籍先の派遣会社に登録して、必ず同じ派遣先企業で働ける保証はありませんよね?
酒井先生
派遣先企業もしくは移籍先の派遣会社に対し、就業における契約書を先に作ってもらいます。三者の意向をしっかりと確認し合い、それを書面で残すことが大切です。

移籍先の派遣会社で派遣登録

もともと派遣登録してある派遣会社であれば、そのまま雇用契約を結ぶだけで済みますが、登録していないと再度移籍先の登録会場に行き登録しなければなりません。移籍がスムーズにいくよう、移籍先の派遣会社の夜間登録や休日登録を利用し、就業中でも登録できるようにしましょう。

移籍先の派遣会社で雇用契約

移籍といっても特に変わった契約書類などはなく、通常の派遣就業と同じで、就業条件明示書・雇用契約書に記載するだけです。しかし今の契約終了から再契約するまで期間が空くとその期間は無給となるため、給与のことを考えて、派遣先企業と移籍先派遣会社で契約期間について綿密に練っておきましょう。

派遣会社移籍による派遣社員への影響

雇用条件が変わる

時給や福利厚生、雇用主が変更されます。場合によっては時給が変わる可能性もありますが、基本的に移籍前と変わらないように派遣先企業から現在の時給を聞かれることがあります。

営業担当が変更になる

派遣会社が変わるため営業担当も別の方になり、関係構築を一から行うことになります。また移籍先の派遣会社で登録する必要があるため、その手間を要します。

雇用期間の起算日がリセットされる

派遣先企業が同じでも派遣会社が異なるため、雇用期間がリセットされます。そのため有給休暇・産休育休などの起算日がリセットされます。なお移籍前の派遣会社で6ヶ月以上雇用されていた場合、取得した有給休暇は喪失します。

なお抵触日については、クーリング期間の3ヶ月を空けない限りリセットされません。

派遣会社の移籍依頼は慎重に

説明の通り、派遣会社の移籍依頼とは「派遣先都合」によるものだと理解できます。

しかしこれを断ろうものなら、契約を切られる可能性もあるため派遣社員にとっては承諾せざるを得ないケースの方が多いでしょう。中でも契約条件や派遣会社との関係性による場合、平気で派遣先企業は契約更新を断ります。その場合でも不当解雇とはならず「契約満了」という形になってしまうため、現在の就業先でより長く働きたい場合は承諾することをおすすめします。

ただ今の派遣会社を変更したくない、又はそれほど今の派遣先に思い入れが無い場合、移籍依頼されたことを派遣会社に相談して新しい派遣先を紹介してもらいましょう。経験上、移籍を求めてくる派遣先企業について優良なところは少ないと判断できます。本来であれば会社間で解決すべき問題を、派遣社員まで巻き込み「変更」というご法度の手段を用いて自社利益優先で逃げようとしているからです。

派遣先が派遣社員のことを単なる駒だとしか考えていない証拠であり、また派遣会社が変わってもあくまで「派遣社員」の立場なのでそこで3年以上就業することはできません。

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