派遣の職場見学・顔合わせで何をするの?質問内容や服装について

みなみ
派遣の選考は面接がないって言われていますが本当なのでしょうか?実際はどんなことをみて判断されるのかな?
れいか
いくら面接がないって言われていても結局は職場見学も「選考」として見られてると思うわよ。会社によっては細かいところまで質問したり面接も兼ねているんじゃないかしら。
酒井先生
相手の個人情報になりうる質問や特定行為は派遣法で禁止されています。職場見学はあくまで派遣社員による「見学」。派遣先による「選考」の場ではありません。気軽にフランクに臨むことでお互いにとってプラスになります。

職場見学で行われている内容について

kengaku

通常の派遣において、事前の面接や個人の特定行為が禁止されています(労働者派遣法)。しかし、派遣会社から的外れな人が来ないように「職場見学」という名目で職場の雰囲気を伝える面談行為については許されています。あくまで面談(お話)なので面接のような質問は控えるよう派遣会社からもお願いはしています。

なお、紹介予定派遣においては「直接雇用を前提」としているため事前面接や個人の特定行為は例外として認められています。職場見学でも通常の派遣とはテイストが異なり、履歴書の提出も許されています。

【紹介予定派遣】派遣から正社員を目指す・なる方法

2016.10.24
事前面接が今後解禁?!
派遣社員の特定行為は派遣法によって禁止されていますが、それがかえってお互いの派遣の促進を妨げているのではないか、ある程度の事前面接・質問は許されるべきではないかと派遣法の改正が求められています。派遣されれば遅かれ早かれお互いの情報を知ることになるため、派遣社員がそれを後出しにすることは、結果的にマッチング率・定着率を妨げることになります。まだ案の段階ですが、かなり前向きの方向で話が進められているため頭の片隅に置いておいて下さい。

一般的な職場見学の流れは、

派遣先からの業務の説明
簡単な自己紹介
※今までの派遣歴・職歴について言える範囲で説明
職場見学
質疑応答

という流れです。派遣先から派遣社員に対する質問・特定行為はありません。職場見学というのはあくまで派遣社員がその職場を知るためのツールです。

職場見学に行く際の服装・身なりについて

  • 髪はまとめる
    ボサボサした髪型より、結んで清潔感を出しておく方が派遣先からも好印象です。
  • スーツorオフィスカジュアル
    派手な色は控え、ネイビーや黒の落ち着いたジャケット・スカートが好ましいです。カジュアルな服装の会社でも、職場見学や初回の就業時は整えた服装で行きましょう。ジーパンやショートパンツ、露出度の高いものは控えましょう。
  • バッグ
    メモを取ることもあるので、筆記用具が入るぐらいのバッグを持参して行きましょう。
  • 化粧
    派手過ぎるメイクはNGです。ナチュラルメイクにとどめて下さい。

職場見学の趣旨

  • 派遣社員の「希望」による会社見学であること
    職場見学は、派遣社員の求めに応じて行うものです。派遣先からお願いされて行うものではありません。ただ最近は、派遣時における必須の項目となってしまっています。
  • 仕事内容や環境について判断することが目的
    派遣社員が職場見学によって職場環境や仕事内容を見て、仕事を受けるか否かを自分で判断することを目的としています。決定権はあくまで派遣社員にあります。
  • 職場見学は派遣先が派遣社員を選考する場ではない
    職場見学を通じて、「派遣先が」派遣社員を受け入れるか判断をする場ではありません。「派遣社員が」派遣先を見て、ここで働きたいか判断をする場です。面接行為や特定行為は禁止されています。

参考:日本人材派遣協会

以上の内容が職場見学の趣旨です。職場見学は派遣社員が望むものであって派遣先がすすんで行うものではありません。しかし実態は、職場見学を採用の場として活用し、禁止事項でも平気で質問してくる派遣先もあります。

ただ、そうした禁止事項を質問してくる企業は選ばなければいいのです。禁止行為だと知って聞いてくるような企業で働けば、依頼されていない仕事をさせられたり、不当に契約を切られたりと、あなただけが今後損をするリスクを背負うことになります。派遣社員は引く手あまたの売り手市場なので、もっと強気で臨みましょう。

職場見学で説明される項目

派遣先の仕事説明

職場見学で行われる内容として、派遣先から依頼する「仕事説明」について細かく解説します。

  • 業務内容
    派遣後に依頼する仕事内容の説明を受けます。求人ではわからない具体的な内容を資料や実際に就業されている方を見て確認することができます。
  • 必要となるスキル
    パソコンの使用頻度や求められるスキル、主に取り扱っているソフトの説明などがあります。
  • 1日・1ヶ月の流れ
    派遣社員が就業後すぐに理解できるよう、1日や1ヶ月の流れについて説明があります。会社によっては出社時間は異なり、始業時間の何分前に朝礼が始まるなど具体的な流れについて説明を受けます。
  • 残業の有無
    求人では「残業なし」と記載されていても、実際の職場ではお願いされることがあります。大幅な求人とのズレはありませんが、終業時間ピッタリの時間に帰れるかどうかは会社によって異なります。場合によっては時間ギリギリまで働いてもらい、終業時間後に帰り支度をしてもらうこともあります。
  • 職場環境や社風
    会社の雰囲気や会社としての方向性について説明を受けます。職場をぐるっと回って、会社で働くイメージを掴んでもらったりします。
  • その他業務に関わること
    休日出勤の有無や部署内の規則など職場見学に行かないとわからないことはたくさんあります。会社行事の参加有無や細かいことについても質問しておきましょう。

派遣先からの質問内容

派遣先からあなたに質問される内容は主に次のようなことです。学歴や経歴など個人情報に関する内容は派遣法違反になるため問われません(建前)。

  • 今までの業務経験
    あなたのスキルを確認するための質問です。職歴や経歴ではなくあくまでスキルの確認です。なお業務経験だけを聞いて採用・不採用を派遣先が判断することは禁止とされています。
  • 知識や資格について
    取得している資格や、今までの知識について質問されます。個人情報に触れない範囲で、あなたの技術力を問われます。

職場見学で禁止されている派遣先の行為

  • 履歴書の提出
    派遣社員の個人情報がわかってしまう履歴書の提出は禁止されています。なお紹介予定派遣では履歴書の提出は認められています。
  • 年齢を限定した募集
    「20代限定」や「24歳~29歳の経験者」といった文言で募集をしたり、年齢を限定する採用は禁止です。それでも載せたいときは「職場の平均年齢」や「20代の多い職場」といった文言で他の年代を寄せつけないようにしている傾向があります。
  • 適正検査・テスト
    適正検査やテストの実施も面接と同じ内容と判断されます。行ったとしてもそれが理由で受け入れるかの判断を派遣先は行ってはいけません。
顔採用について
「顔採用」とは、派遣社員の容姿を見て採用の判断をすることです。もちろん禁止ですが、それを口に出さない以上派遣会社は抑制することはできませんし、実態として顔採用は往々にして行われています。特に、秘書受付の派遣ではその傾向があります。

禁止されている職場見学の質問内容

  • 氏名・年齢・住所
    個人情報に当たる質問は禁止です。特に年齢に関しては派遣会社から厳しく注意しないといけません。氏名は派遣社員(あなた)が望めば言っても構いません。
  • 家族構成・世帯収入
    「子供がいる」「結婚している」といった質問に対して答える必要はありません。しかし、派遣就業後は労務管理の適正な実施の観点から税金・社会保険など世帯収入の情報を収集されることもあります。
  • 退職理由
    前職の退職理由なども答える必要はありません。聞かれてもそれは禁止事項なので拒否できます。
  • 学歴
    派遣社員は就職活動のように学歴フィルターがありません。主に大学名や学歴についての質問は禁止です。
  • 派遣法第24条3項(個人情報)に定められている内容
    人種・民族・門地・本籍・その他差別的要因となるおそれのある事項、思想及び信条、労働組合への加入状況などは、派遣・紹介予定派遣などその形態に関わらず業務の目的の達成に不必要な内容なので質問してはいけません。
禁止されているものの自分の名前を名乗るのは一般的
職場見学では名前を含めた個人情報の質問が禁止されています。しかし禁止されてはいるものの、相手も大切な時間を削って説明をしてくれているので、特に嫌でなければ自分から名前を名乗るよう気遣うと相手の印象は非常によくなります。「禁止事項」のもっと前にある社会人としての「マナー」は守るべきでしょう。

職場見学後、派遣会社が派遣可能か判断する

派遣法上は職場見学後、派遣社員がその職場で働くことを望んだとしても、派遣会社が「GO」を出さないと派遣させることはできません。もちろんこれは派遣会社の判断であるため派遣先のことは全く関係ありません。以下の例が派遣しないと判断できる内容です。

  • 派遣社員に派遣先の求める業務遂行能力がないことがわかった場合
    派遣社員と派遣先とのやりとりを営業担当が見て、スキル面や仕事に対する理解について難しいと判断した場合。又は、残業の実態、コミュニケーション面で今後就業していくことが難しいと判断した場合。
  • 派遣社員が派遣先で働くことを希望しない
    職場環境や仕事内容を見て、派遣社員が自ら望まない場合は断ることができます。

なぜこんなことが行われるかというと、派遣会社があなたの雇用主(上司)だからです。部下であるあなたの態度やスキルを見て、「ここで働かせることができない」と判断した場合は、どんなに派遣社員が望んだとしても働かせることはできません。これは派遣法違反にはなりません。

職場見学で職場環境の実態を把握することができるのか?

以上までが、「建前」の部分ですので基本的な職場見学の内容については説明を終えました。ここからは「職場見学・顔合わせの実態」について解説していきます。

最近では派遣法によって禁止事項となっている内容にもかかわらず、専門知識が派遣社員に無いことを利用して面接に近いことを行う場面が多く見られます。

派遣社員としてもそれを断ることで「派遣先に悪い印象が残ってしまう」「採用されたい」と思って拒否することが中々難しいようです。こうしたことに備えて派遣会社の営業マンが帯同しているのですが実態としてはその三者間で派遣先が最も上の立場となるため(暗黙に)、守られにくい印象があります。法律的にも曖昧で、グレーの通り道をわざと用意しているようにも思えます。

しかし、もし禁止事項に触れるようなことがあれば派遣会社に直接言ってみることも必要です。派遣社員としての個人情報を守りながら良い職場を見つけて就業することを目指して行きましょう。

またいくら職場見学を重ねたとしても、その職場の実態を完全に掴むことはできません。結局のところ「働いてみないと分からない」ことが多く、細かいところは派遣会社の営業担当に聞くしかありません。

就業前に派遣会社に問うべき7つの質問

①出勤時間

朝礼・朝の掃除・ラジオ体操などを日課にしている会社もあり、就業時間の30分前から席に着いていることもあります。そういったリアルな出勤時間について聞いておきましょう。

派遣社員が清掃や朝礼に出ても給与に含まれないのはなぜ?

2017.03.02

②職場の雰囲気

自分で職場見学に行くこともできますが、会社によっては「派遣社員が来るから和気あいあいとしておこう」と待ち構えている場合もあります。リアルな雰囲気や職場の実態は、長く付き合いのある派遣先であれば営業マンも定期訪問しているためよく知っているはずです。

③休憩のとり方

お昼休憩の場合は、外食してもいいのか、弁当を持参する必要があるのか聞いておきます。また、休憩中でも電話に対応するケースもあり、時間どおり休憩をとれるか確認しましょう。

派遣社員にも休憩時間はちゃんと与えられますか?

2017.01.16

④派遣先の上司

営業担当は派遣求人を出す前に、あなたの上司となる派遣先に会っています。何度か会ううちに性格・見た目・口調などの特徴を捉えています。その特徴について聞いておき、職場見学までにイメージしておきましょう。派遣の離職理由で最も多いのが教育係・上司に当たる指揮命令者との「人間関係」です。

指揮命令者・派遣先責任者(上司)の定義と対象者

2017.04.25

⑤派遣期間

長期の派遣でも期間の定めが一年未満の案件はたくさんあります。あなたが応募した派遣先は最長でいつまで派遣期間があるか確認しておきましょう。また派遣の業務内容が臨時的なものなのか、継続・反復的なものなのかも重要です。臨時的な仕事の派遣であれば、突発的な派遣切りであっても違法にならない可能性もあります。

派遣切りとは?雇い止め・不当解雇・契約解除の意味と違い

2017.04.12

⑥昇給の可能性

評価の方法や、派遣社員に対する還元の体制について質問しましょう。特に1年以上就業する場合は、年度毎の昇給のチャンスがあります。

派遣社員の昇給・賃上げの方法~時給を少しでも上げるにはどうしたらいいの?

2016.10.27

⑦仕事内容

業務量や1日のスケジュール、扱っている商品・サービスなど具体的な内容を聞きましょう。

酒井先生
以上が職場見学の内容と、職場見学前に確認しておきたい事項になります。文中でも触れましたが、職場見学をもってしても実際の現場の雰囲気や実態は分かりません。営業担当もそこで実際に働いていないのではっきりとしたことは言えません。しかし、これまでの派遣経験や悩みの傾向などはあなた以上に知っていることは確かです。聞かないよりは聞いた方がいいので、どんどん営業担当を活用しましょう。

目的から派遣会社を探す