新卒派遣の実態と将来~正社員と比較したメリット・デメリット

みなみ
私の後輩がどこの企業からも内定が貰えなくて、お先真っ暗と嘆いているんですが、どうアドバイスしてあげればいいですか?
酒井先生
女性であれば新卒派遣がおすすめですよ。内定を貰えなかった方だけでなく、資格を取得してから就職したい方にも適した働き方です。焦って自分に合わない会社やブラック企業に就職しても自分のためとは言えません。

新卒派遣の働き方

就職活動をしている方の中には、すんなり内定を貰う方もいれば、どこの企業からも内定が貰えず就職浪人せざるを得ない方も多い状況です。また頑張って内定を勝ち取ったとしても、3人に1人は3年以内に離職しているというデータもあります(厚生労働省)。

企業としてもたった数回の面接や実技試験だけで何年も働いてくれる人材を確保するには難しい状況が続いています。その打開策として大手企業でも取り入れているのが新卒派遣です。派遣社員としての期間を挟むことによって企業とのミスマッチを防ぎ、長期的に働いてくれる人材を確保しようという取り組みです。

新卒派遣 期間の定め 働き方
派遣 最長3年 いわゆる「派遣社員」としての働き方。
紹介予定派遣 最長6ヶ月 正社員又は契約社員として「直接雇用」を前提にした派遣の働き方。
無期雇用派遣 無し 派遣会社の「社員」として雇用され、色々な会社に派遣される働き方。

新卒派遣の仕事と時給

職種名 時給 採用難易度
一般事務 1,000~1,500円 ★☆☆
営業事務 1,300~1,800円 ★☆☆
軽作業員 1,000~1,300円 ★☆☆
テレフォンオペレーター 1,300~1,800円 ★☆☆
新規開拓 1,500~2,500円 ★★☆
ルートセールス 1,500~2,500円 ★★☆
銀行後方事務 1,300~1,600円 ★★★
生保事務 1,500~1,800円 ★★★
みなみ
事務系で女性中心の仕事が多いですね。男性が派遣社員として働くには無理があるということですか?
酒井先生
派遣登録に来る方の9割が女性ということもあり、派遣会社の扱っている求人も女性中心のものになっています。

一般事務・営業事務:求人数も多く採用確率は高い

一般事務や営業事務は派遣会社が扱っている求人の中でも特に求人数が多いです。また一般事務であれば無期雇用派遣で採用されることもあります。新卒派遣の中でも派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣と3つの中から働き方を選ぶことができます。

軽作業員:即日就業したい方におすすめ

軽作業系で無期雇用派遣を行っている派遣会社は少ないですが、派遣の中でも年齢・スキル問わずどこの派遣会社でも採用確率が高いです。時給は低いものの即日で就業可能で残業がほぼないのも魅力です。

仕事内容はどれも単純作業のため、キャリアップやスキルアップは望めませんが、並行して就職活動を進めていく場合はアルバイトより効率よく稼ぐことができます。

テレフォンオペレーター:内勤で営業スキルを身に付く

飛び込み営業や外回りが苦手でも、営業スキルを身に付けたい方におすすめなのがテレフォンオペレーターです。お客様との対応は全て電話で行うため外出はなく、全て内勤業務になります。未経験の中でも高時給かつ採用難易度も低いです。

しかしインバウンド業務だとクレーム対応、アウトバウンドだと営業電話となるため、精神的に病むこともあり離職率が高めです。その分磨かれるスキルは高く、その後の転職やキャリアアップに活かせます。対応力や営業電話によるトーク術はどちらも重要なビジネススキルです。

新規開拓・ルートセールス:派遣社員でも賞与が貰える仕事

派遣社員でも賞与(ボーナス)が貰える可能性がある新規開拓やルートセールスは給与面で非常に魅力です。テレフォンオペレーターとは違い外回り中心の営業スタイルですが、中でも新規開拓の場合、ノルマや成果に対する賞与は派遣社員でも派遣先から支給されます。

この賞与については派遣会社が利益として得ることを派遣先から禁止されており、ほぼ100%派遣社員の給与に還元されます。新規開拓で働く方の中には給与より賞与のほうが高い派遣社員もいます。

ルートセールスは新規開拓ほど時給の変動はありませんが、営業といった点では事務系より給与は高く設定されています。

銀行後方事務・生保事務:大手企業で働けるチャンス

資格などは必要ありませんが、事務系の中でも一般事務や営業事務より高時給を狙いたい方におすすめです。銀行後方事務や生保事務のどちらも派遣先が大手企業である可能性が高いです。

銀行後方事務の場合、残業が少なく高時給なので求職者から人気があり、採用難易度も高いです。未経験でも挑戦できないことはありませんが、紹介予定派遣のように直接雇用前提のところが多いです。

生保事務も同様に大手企業が多く高時給です。しかし銀行後方事務に比べて残業が多く、毎日ではありませんが日によっては2時間近くの残業があります。

新卒派遣のメリット

就職先を探しながらビジネススキルが身に付く

就職活動しているだけではビジネススキルを身に付けることはできません。しかし新卒派遣の場合、現場で習うこともあれば派遣会社で行っているビジネス研修によって、今後の就職先で必要となるビジネススキルを身に付けることができます。

自分に合った仕事が見つかる

派遣されてから自分に合わないと思った仕事は、途中で辞めても履歴書に傷が付くこともありません。これが正社員として働く方との大きな違いです。そのため様々な職種を経験してから長く働ける仕事を見つけることができます。

営業担当がサポートしてくれる

新卒派遣の場合、派遣社員でいる間は派遣会社の営業担当が付いてくれます。職場環境の改善や昇給、キャリアカウンセリングといった仕事に関するサポートを全て行ってくれます。

付き添いとなる派遣先の先輩社員はいるものの、会社への要望は言いにくいものです。しかし第三者となる営業担当が派遣先に対応してくれます。たとえ紹介予定派遣でなくても、長く働きたいと思える職場が見つかれば、営業担当から派遣先に直接雇用の話を打診することもできます。派遣社員として働きながら、直接雇用されて正社員となることも珍しいことではありません。

新卒派遣で働く際の注意点・デメリット

新卒社員との格差を感じる

派遣先には同い年で正社員として働いている方がいます。その中で自分が派遣社員で働いていることで、直接雇用されていないことや契約期間がある派遣社員としての身分に格差を感じることもあるはずです。

またその差は就職後に感じることもあります。女性の事務であればそこまで大きな差は開きませんが、派遣社員を挟んで遠回りしている分、昇給・昇進している同年代の社員に劣等感を抱くこともあります。

必ず正社員になれるわけではない

派遣や紹介予定派遣のどちらでも、直接雇用の条件が必ず正社員であるわけではありません。場合によっては契約社員ということもあります。

しかし紹介予定派遣の場合は求人で直接雇用後の条件を確認できるため回避できます。そのため紹介予定派遣の求人に応募する際は、直接雇用後の条件面について必ず確認するようにしましょう。

派遣社員の間は賞与なし

営業系の仕事を除けば、ほとんどの派遣社員が賞与を貰っていません。派遣先とは派遣料金内で派遣社員の時給を定めているので、それ以上の給与を求めることはできません。

また昇給に関しても派遣会社が派遣先と年1回面談を行い、派遣社員の時給査定をしていますが、必ず上がるわけではありません。

行きたい会社を選べない

どういう仕事がしたい、どういう業種で働きたいという大枠の希望を出すことはできますが、具体的な会社名を出して働くことはできません。全くできないわけではありませんが、一様にそうした仕事は選考倍率が高くなってしまいます。

派遣会社の営業担当があなたに合った仕事をリストアップしているため、そこから選ぶ形になります。

直接雇用後は有給休暇の起算日がリセットされる

派遣社員から直接雇用された場合、雇用主が派遣会社から派遣先となり雇用条件が一度リセットされます。それに伴い6ヶ月以上働いていた方であれば、有給休暇もリセットされなくなります。また派遣社員から働いてきた月日に関してもリセットされます。そのため同じ職場で派遣社員の期間と合わせて6ヶ月を越えていても、有給休暇を支給されることはありません。

酒井先生
もし派遣先から直接雇用の話を打診されたときに有給休暇が残っているのであれば、派遣社員でいる間に使い切ってください。

新卒派遣に強いおすすめの派遣会社

新卒派遣を考えている方が登録しておくべき派遣会社はリクルートスタッフィングです。

人材業界の中でもトップの知名度を誇り、大手企業と関係が深い派遣会社です。無期雇用派遣であるキャリウィンクでは、一般事務として働く方が約600人もいます。派遣先の約98%が従業員数1,000人を越える大手企業です。

また福利厚生も充実しており、1日かけて丁寧に教えてくれる無料のビジネスマナー研修に加えて、TACや大原をはじめとする資格取得に関するスクールを割引価格で受講できます。他にも語学力を身に付けたい方にはECCやイーオンといった英会話スクールもあります。

みなみ
なんか頑張って内定貰って働いた私がバカみたいになってきたわ。無理に就職しなくても新卒派遣から自分に合った仕事で正社員を目指せば良かったんですね。
酒井先生
乱暴な言い方をすれば、新卒派遣はあくまで就職浪人生にとっての逃げ道に過ぎません。正社員とどちらにするべきか?と悩んでいる方は間違いなく正社員を選ぶべきです。ただ就職活動とは異なり、たった数分の面接や表面上の学力・経歴で判断されない、新しい雇用の在り方だとも言えます。企業にとっては実際に働く姿を見ることができて、新卒派遣社員にとっては現場のリアルを掴むことができます。就業後のギャップが少ないのは明らかに新卒派遣と言えます。

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