人材派遣と有料職業紹介事業の違い~求職者はどっちを利用するべき?

みなみ
人材派遣と有料職業紹介ってどちらも仕事を紹介されるけど、どう違うのかしら?
れいか
派遣社員を目指すなら人材派遣を利用して、正社員を希望するなら有料職業紹介を利用するんじゃないかしら。
酒井先生
人材派遣は派遣会社に登録して派遣されることです。有料職業紹介も人材会社に登録するのは同じですが、紹介される仕事が全て直接雇用のものとなっています。

人材派遣と有料職業紹介の違いについて

人材派遣と有料職業紹介の大きな違いは「雇用主」です。

人材派遣の場合、派遣会社に登録して派遣の求人を紹介されます。そのため就業先は紹介先でも雇用主は派遣会社になります。人材派遣は登録している派遣社員から、企業の希望条件に沿った方を斡旋しています。もちろん派遣も無料ではなく有料です。派遣料金を紹介先企業から貰って派遣社員を派遣しています。

有料職業紹介でイメージしやすいのが転職サイトでしょうか。求職者は人材会社が運営している転職サイトに登録して仕事を探します。そして転職コンサルタントが付き、就職先が決まるまでフォローしてもらえます。登録はしているものの、就業先が決まるとその企業と雇用契約を結ぶことになります。そのため雇用主は紹介先企業となります。

求職者にとっては有料職業紹介の人材会社を利用することは無料でも、人材を紹介される企業にとっては有料となります。求職者が紹介された企業で就職が決まると、人材を紹介された企業は成功報酬として紹介手数料を有料職業紹介の人材会社に支払わなければなりません。

人材派遣の雇用主は派遣会社

人材派遣を行っている会社は、厚生労働省から労働派遣事業の許可を得て、派遣社員を企業に派遣しています。そのため人材派遣会社に登録しないと、求人に応募することもできず、派遣選考に進むこともできません。ただ派遣社員の場合、ほとんどの求人が有期雇用になっており、契約期間が決まった仕事となります。

れいか
ほとんどってことは有期契約ではない求人も派遣の中にあるってことですか?
酒井先生
最近では無期雇用派遣というものも出てきました。無期雇用派遣は派遣会社で直接雇用されて派遣される雇用形態です。そのため派遣先における契約は有期なものでも、派遣会社とは無期となっており、常に給与が支給されます。

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直接雇用前提の紹介予定派遣

派遣会社が扱っている求人の中には、直接雇用前提の紹介予定派遣という働き方があります。イメージとしては派遣と有料職業紹介のミックスとイメージすると分かりやすいでしょう。

紹介予定派遣は、派遣社員として紹介先企業で働きながら、派遣先がその働きぶりを見て直接雇用するかどうか判断するという新しい雇用の形です。選考の最長期間は6ヶ月で、その派遣期間を通じ、直接雇用するか判断できるためマッチング率が高く企業からの需要も高くなっています。採用に至ると有料職業紹介と同じく派遣先は紹介料を支払います。

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人材派遣を利用するメリット

  • 職種・業界が豊富
  • 履歴書不要
  • 面接がない
  • 働き方が自由

紹介予定派遣を除くと、以上のメリットが挙げられます。派遣法では個人情報保護が特に徹底されているため、派遣会社から派遣される方に対して、面接や履歴書の提出が禁止されています。そのため派遣会社から紹介される派遣の求人に関しては、いくつ選考を受けても自分で用意するものはありません。

人材派遣を利用する際の注意点

  • 雇用形態は派遣のみ
  • 福利厚生がない派遣会社もある
  • 即戦力を求められやすい
  • 必ず選考が通るわけではない

人材派遣を利用する際は派遣会社選びに注意してください。紹介先がどれだけ優良な企業でも、雇用主は派遣会社となります。そのため給与や福利厚生は全て派遣会社で定めている内容のものとなっています。

また全ての派遣会社へ平等に派遣の求人が振り分けられているわけではないため、その会社の規模によって求人数が大きく異なります。従って派遣初心者の方には求人数や職種を豊富に扱っている大手派遣会社に登録することをおすすめしています。

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有料職業紹介の雇用主は紹介先

有料職業紹介も人材派遣会社への登録が必要になりますが、紹介される仕事の全てが直接雇用前提となっているため紹介先企業が雇用主となります。

また有料職業紹介は人材を紹介して報酬を得ているため、人身売買につながりやすく、労働者を保護するために労働局の許可が必要です。

【有料職業紹介事業の許可】
有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

職業安定法第30条第1項

有料職業紹介と無料職業紹介との違い

職業紹介と言われているものには、有料と無料のものがあります。有料職業紹介は前述のように、転職サイトを運営する人材会社のことを指します。

一方、無料職業紹介はハローワークや自治体の行う就職支援などのことを言います。無料職業紹介事業を行っている企業から人材を紹介されても、料金が発生することは一切ありません。

みなみ
それなら、どこの企業も無料職業紹介に人材をお願いするほうがお得じゃないですか。
酒井先生
損得の問題だけで言えば確かにそうです。しかし有料職業紹介の場合、求人広告やCMなどの広告費を使って人材を集めているため、人が集まりやすく良い人材が見つかりやすい特徴があります。無料で集めた人材と企業ではマッチング率や定着率が低い傾向があり、あまりおすすめできません。

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有料職業紹介を利用するメリット

  • 全てが直接雇用の求人
  • 転職コンサルタントが付いてくれる
  • 1人で就職活動するより効率的
  • スキルアップ環境がある

有料職業紹介を行っている人材会社に登録することで、転職コンサルタントがサポートしてくれます。そのため履歴書の書き方や面接対策などを指導してくれます。また紹介先企業の選考内容を具体的に聞けることが魅力にあります。

1人で就職活動しているときには、自分で選考先企業の会社情報などを調べていましたが、その手間が省けます。また自分が希望する企業で資格やスキルが必要になっているときは、人材会社が設けている支援サービスによって、スキルアップを望めます。特に正社員として転職を目指す方は必ず登録しておきましょう。

有料職業紹介を利用する際の注意点

  • 履歴書が必要
  • 面接や筆記試験などの選考がある

有料職業紹介は転職コンサルタントが付くだけで、就職活動そのものは自分で行います。そのため受ける企業の数に応じて履歴書の提出を求められます。仕事を紹介されていても選考が優先されるわけではなく、紹介先企業が設けている選考に全てクリアしないといけません。派遣のように、担当営業マンが勝手に仕事を見つけてきて、勝手に職場見学や面談の場をセッティングしてくれるということはありません。

正社員を目指すならどちらも登録

正社員を目指す場合は人材派遣・有料職業紹介とどちらも登録するべきでしょう。正社員だけに狙いを定めて、有料職業紹介である転職サイトに登録することもいいですが、逃げ道となる場所がなく最悪の場合「職なし」といった状況にもなりがちです。

派遣には紹介予定派遣という正社員を目指せる方法があります。また長く派遣社員として就業していると、派遣先から直接雇用の提案が出ることもあります。派遣社員としての働き方を敬遠される方も多いのですが、働きながら正社員を目指せる環境自体を知らない方も実は多いのです。また女性の場合は特に、正社員より派遣社員の方が「時給が高い」という逆転現象もしばしば起こります。

働き方にこだわりがない、時間がかかってもいいが無職は嫌だ、という方はどちらにも登録しておきましょう。

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