専門26業務の概要と廃止に伴う派遣社員への影響

みなみ
専門26業務」という派遣の仕事に就けば期間の定めがなく、無為雇用派遣でなくても長く働けると聞きました。それは一体どんな仕事ですか?
酒井先生
専門26業務は政令で定める専門的なスキル・知識を有する仕事を指します。しかし2015年の派遣法改正によってその区分がなくなり、現在その抵触日を設けない業務はありません。これから派遣社員を始める方は予備知識程度で覚えておけば問題ありませんが、今なお専門26業務で就労中の方は必ず覚えておかなければならないことがあります。

期間の定めがない専門26業務とは

専門26業務は、専門性の高い(仕事の完成に対し、出来不出来が個人によって大きく左右されるもの)仕事が定められていました。派遣法で定める3年という抵触日によってその期間を定めてしまうことが、仕事の効率を極端に奪うと問題視され、専門26業務のみ最長5年という期間で派遣先が希望するまで延長可能でした。

しかし2015年の派遣法改正により、専門26業務・その他の業務(自由化業務)との区別がなくなり、派遣の仕事全てに抵触日を設けるようになりました。そのためこれから専門26業務で就労を始めることはできません。

【参考】政令で定める専門26業務一覧(厚生労働省)

酒井先生
派遣社員は派遣会社と有期雇用を結んでいる契約社員です。有期契約が5年を越えると労働者の申込みにより、無期労働契約に転換できてしまうため、専門26業務には最長5年という定めを設けていました。

専門26業務廃止の背景

この改正による派遣社員からの意見は賛否両論でした。しかし労働者保護の観点から見ると、専門26業務の廃止は致し方なかったものと言えます。現実に今専門26業務廃止に関して「元に戻すべき」「間違った選択」だと非難する声は聞かれません。廃止のきっかけになった主な理由は2つです。

  1. 派遣社員の雇用機会を奪っている
  2. 自由化業務との区別がつかない
    ※派遣先や派遣社員にとって都合のいい選択がされていた

派遣法改正前の専門26業務は、期間の定めがないものの、無期雇用されているわけではありません。派遣社員であることには変わりないため、有期契約によって毎回のように契約を更新し続ける必要がありました。

また自由化業務の抵触日を免れようと、一般的な事務の仕事でも専門26業務に割り当てるため「5号(事務用機器操作)」と書類上の手続きだけすり替えるように依頼する派遣先も存在しました。

専門26業務は派遣期間を長期化させることは可能ですが、雇用そのものを安定させるわけではありません。「いつでも切れる便利な社員」を抱えることができる派遣先主導の存在になっていたのです。

抵触日に対する理解は広まっていないのに、未だに派遣社員に対し「安定しない」「派遣切り」だというイメージが拭いきれないのは、この専門26業務が与えていた印象からなのでしょう。

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【2018年問題】専門26業務で就労中の方に与える影響

制度そのものは廃止となりましたが、実は現在でも多くの方が専門26業務で就労しています。派遣法が改正される前から派遣されていた方に対して、2015年から改めて3年後に抵触日が設けられました。そのため完全に廃止されるリミットは2018年9月30日となっています(2018年問題)。

しかしここまで就労してくれていた派遣社員に対し「明日から来なくていいよ」と通告するのはあまりにも非人道的です。従って、現在就労中のスタッフには以下のような救済・保護の措置が取られます。

  • 派遣先又は派遣会社で無期雇用(正社員又は契約社員)に切り替え
  • 派遣会社による新たな雇用機会・雇用場所の提供

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専門26業務ではなくても派遣の雇用は既に安定

派遣法改正以前は自ら望んで専門26業務に派遣されようとする方もいました。実態としても派遣先が抵触日を免れるために使われることが多く、制度としての正しい機能を失っていました。

当然派遣法改正の対象となったわけですが、今となっては専門26業務でなくても、無期雇用派遣や雇用安定措置の厳格化により、派遣社員の雇用は昔と比べ物にならないくらい安定しています。福利厚生面においては正社員に劣る面もありますが、企業からの需要は年々高まり、正社員から派遣社員へ雇用を移し替える方も増えています。

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