派遣社員の失業保険の受給手順・離職前の準備とその実態

みなみ
失業保険があるので今の仕事をやめてから気長に仕事を探そうと思います。次の仕事は決まっていないけど、辞めちゃおーっと。
酒井先生
次の仕事が決まる前に辞めてしまうというのは正直いただけませんね。もちろん失業保険の前提・使いみちとしては間違いではありませんが、ギャンブル要素が強すぎます。また失業保険は給与を上回ることはありませんので生活も苦しくなりますよ。派遣でも転職でも、在職中に次の進路を決めてから動くことが原則です。

失業保険とは

仕事を辞めてから次の仕事を見つけるためにはお金は必ず必要です。その助け舟の一つに「失業保険」があります。

失業保険とは、会社に勤めているのであれば必ず払わなければいけない保険の一つである「雇用保険」を一定期間払っていれば、離職後に使用できる保険です。正社員・派遣社員など雇用形態に関わらず、雇用保険を支払っていた方なら誰でも受け取れます。

失業保険について聞いたことがないという女性も多いと思います。なぜなら、雇用保険はあなたが会社に就職した際に事業主が手続きをおこない、給与の中から一定の保険料が天引きされるため、雇われている間で目にするのは給与明細の中だけだからです。

また雇用保険を払っていた方全員が受給できるというものではなく、ハローワークでの申請が通った人のみが受給できる仕組みになっています。

しかし、自己都合で転職を始める場合や、派遣社員の方は失業保険に頼らないほうがよいでしょう。まずは、失業保険に申請できる条件を見ていきます。

失業保険の申請に必要な条件

失業保険は、離職日前から数えて2年間の内、12ヶ月以上雇用保険を支払っている「失業者」のみが受給できます。

また「仕事を退職=失業者」と思うかもしれませんが、これは間違いです。ハローワークが定める失業者とは、「就職意思と就職できる能力は備わっているが職に就くことができない人」のことを指します。

つまり、妊娠・出産・育児を理由に退職した場合や、結婚し、専業主婦に専念するために退職をした場合は失業保険を受給できません。例えばハケンの品格のように長期の休みを自ら取得する予定の場合、「就業の意思なし」と判断できるため受け取ることはできません。

また、病気やけがで退職を余儀なくされた場合は、失業保険ではなく健康保険の区分になるため、失業保険との重複受給はできません。

失業者の認定は更新しなければならない

一度失業者の認定を受けたからといって、次の仕事が決まるまでずっとその効果が残っているわけではありません。

失業者としての認定は4週間ごとに「失業認定申告書」を提出して、更新しなければいけません。

失業保険を申請したときには受給資格があったとしても、日が経つにつれて受給資格がなくなっている場合があるため、不正受給になるのを防ぐためです。

失業保険をもらうために離職前にやるべきこと

失業保険の申請には、雇用保険被保険者証離職票が必要になります。また離職票はあなたが会社(派遣会社)に対して要求しないともらうことができません。申請を行えば離職後10日前後で、会社から郵送で送られてくることが多いです。

内々の話をすると、離職票の申請手続きは非常に手間なので、退職者から請求が無いとその準備は行いません。必要な場合は離職前にいつごろ渡してもらえるのかを確認しておきましょう。

また、会社がハローワークに提出する離職証明書については、離職前に記名押印か自筆による署名をする必要があります(「手間」というのはこうしたところ)。その際に離職理由の記載内容が分かりますので確認しておきましょう。なお、会社から離職票が届かない場合や、事業主が行方不明になってしまったときは、住居地を管轄するハローワークに相談すれば対応してくれます。

失業保険のためにハローワークでやるべきこと

失業保険の申請は、自分の住所地のハローワークでないとできませんので、間違えないようにしましょう。

提出する書類

これらの書類をもとに、受給資格の有無と離職理由について審査します。離職理由には自己都合と会社都合がありますが、会社都合の方が自己都合よりも長く保険金を受給することができます

リストラなどの会社都合で辞めているにもかかわらず、自己都合と記載されている場合は、ハローワークが事実関係を調査してくれるため、離職理由に異議がある場合はハローワークに相談しましょう。

派遣社員の場合は不当な派遣切りがあった場合などに相談するとよいでしょう。長時間の労働など、会社に原因があるような状況で自己都合退職をしても、会社都合としてくれる場合があるので、そちらも合わせて相談しましょう。

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書類提出後の流れ

提出書類の審査後、受給資格がある場合は、ハローワークから雇用保険受給者初回説明会の日時連絡が来ます。

この雇用保険受給者初回説明会を受けた後、「求職の申し込み」をして、失業の認定が通れば失業保険を受給する資格を得ることができます。

この日を、「受給資格認定日」といいます。

すぐに失業保険を受給できるわけできない

受給資格を得たからといって、その日に失業保険を受給できるわけではありません。特に自己都合退職者は注意が必要です。

会社都合の退職者は、失業認定日から7日間の待期期間を満了してからが支給対象となります。この間に他の派遣会社に移って就労したり、どこかでアルバイトなど、賃金が発生する行為をした場合、その日数分だけ支給対象日は減るので気を付けましょう。

自己都合退職者は待期期間の後、余分に3ヶ月間の給付制限期間が設けられているため、受給がさらに遅くなります。

具体的には、自己都合で会社を辞めた女性が、失業保険を使いながら実際に職探しを行えるのは、早くて退職から4ヶ月経ってからになります。従って自己都合退職者は、失業保険に頼った転職活動や仕事探しはできないといってもいいのです。

みなみ
派遣会社なんていくらでもありますから、失業保険を受け取るために何ヶ月も何もせず待っているのは本当にもったいないですね。
酒井先生
失業保険は元々、リストラなどの会社都合で辞めさせられた人々を救済するような制度です。派遣社員の方、若いみなみさんのような方は失業保険に頼らないほうが得をします。最後に、もらえる手当についても知っておきましょう。

失業保険の種類

失業保険は、年齢や払っていた雇用保険によってもらえる金額に差が出ます。20代女性社会人の場合、失業保険がもらえる人は「一般被保険者」の区分に該当します。そのため、20代女性の一般被保険者がもらえる失業保険について、ご紹介します。

基本手当

失業保険といえば、この基本手当を指す場合が多いです。基本手当は、以下のような計算で支払われます。

(離職日から直近6ヶ月前までの合計給与÷180)×給付日数=基本手当

給付日数とは、受給期間の内に失業保険がもらえる日数のことであり、離職日の年齢や被保険者であった日数によって変動します。

20代女性の場合、給付日数の最大は90日となっています。

技能習得手当

ハローワークで開催している公共職業訓練を受講することで、基本手当に上乗せして給付金がもらえます。

この公共職業訓練とは、ハローワークや独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」がおこなっている資格や技能を身に付けることのできる無料の講座です。

各住所地のハローワークによって講座の種類は違いますが、遠方の訓練校も選ぶことができます。自分がいきたい職業に必要な資格が取得できる場合は有効活用しましょう。

寄宿手当

こちらも公共職業訓練に関わる給付金の一つです。遠方の公共職業訓練を受けるために家族と別居している期間中は、基本手当に一律10,700円が上乗せされます。

こちらの条件は少し特殊で「家族」には、親族だけでなく同棲している彼氏も家族として含まれます。つまり、同棲していて彼氏が仕事をしている場合は給付されません。自分一人で家賃や寮費を払わなければいけない状態を指します。

もちろん、住所地でなく別の訓練校にいかなければいけない理由についても申請の際に説明しなければなりません。

傷病手当

離職後にハローワークで求職の申込みをした後に、15日以上引き続いて疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合にもらえる給付金です。また、傷病手当の受給が認められた場合、基本手当の受給が認められない日であっても傷病手当は受給することができます。

受給資格を満たしていても退職はしない方がよい

受給資格があれば、最大1ヶ月半分の給与が、4週間おきに貰える失業保険は確かに魅力的です。

しかし、上で述べた通り給付は早くて離職から4ヶ月後という点から、退職しないで済むなら仕事をしながら次の職場や派遣の仕事をした方が金銭面では安定するといって間違いありません。

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