派遣社員から嘱託社員への転職~契約社員との比較と実態

みなみ
転職サイトを見ていると、「嘱託社員」として転職採用をおこなっている会社を見つけました。これは契約社員とは異なるのでしょうか?派遣社員が嘱託社員に転職するメリットを教えてください。
酒井先生
「嘱託社員」とは、端的に言えば「契約社員」と同義です。嘱託社員という明確な定義が存在しないため、企業によって違う使い方をしています。その扱いは企業によって異なりますが、「安定」を求めている多くの派遣社員にとって転職先としておすすめできるとは言えません。

嘱託社員の定義・分類・社会的地位

よくイメージされる嘱託社員というのは、大学や病院、郵便局、保育所、図書館など「サラリーマン」とは少し違う方々、「職員」が従事している環境や(嘱託職員)、定年を迎えて再雇用されたシニア世代の方々ではないでしょうか。実態としては「契約社員」なのだけど、その呼称のニュアンスが企業の意図するところと違う場合に「嘱託社員(嘱託職員)」という言葉で使われます。

従って、「嘱託社員」という言葉には明確な定義はなく、あくまで企業や団体が「こっちの方がしっくりくるなぁ」という程度で使われている呼び名にすぎないのです。

一般的な位置付けや意味合いとしてよく言われるのが以下3つ。

  1. 正社員として定年を迎えた後再雇用された社員
  2. 特殊な技術や資格を持っている人(弁護士や医者、講師など)が、期間限定で企業と請負契約を結んでいる場合
  3. 「契約社員」という言葉が似合わない企業や団体における言い換え

嘱託社員の実態・デメリット

ここからは派遣社員が嘱託社員への転職を目指す場合、覚悟しておくこと、また理解しておくべきものをまとめています。大学事務などの派遣では紹介予定派遣を利用して「嘱託職員」へのキャリアプランを提案してくれているケースもありますが、これも以下に解説する内容に該当することとなります。

給与形態が「時給」

案件や企業によって異なりますが、ほとんどの嘱託社員の求人は時給制となります。働き方改革や無期雇用転換制度などから、フルタイムで働く一定の基準を満たした社員は月給制に切り替わると言われていますが、現状ではまだ時給による求人が大多数。

契約社員と実態は同じと言っても、給与体系においては大きく契約社員より劣る(安定しない)ことになります。

「臨時社員」としての色合いが強い

繁忙期の最中や大事なプロジェクトの途中で社員が退職してしまい、現時点の人数では乗り切ることが難しいときの埋め合わせとして、嘱託社員が雇われるケースが見受けられます。そういった場合、経営困難な状態を乗り切ってしまえば契約更新をしてもらえないことも多く、もう一度転職活動をしなければいけなくなります。

正社員登用前提の嘱託社員採用も存在しますが、契約社員が正社員になるのが難しいのと同様、期待度は薄いといってよいでしょう。

非常勤の場合は収入が激減する

嘱託社員は、非常勤の勤務体制になることも多いです。時給制での契約が多い嘱託社員は、フルタイムで働く契約社員や、はっきりと臨時目的であることが分かる派遣社員よりも給与が低くなる傾向があります。

嘱託社員への転職は慎重に

嘱託社員の仕事の中には、正社員と同様の給与・福利厚生・フォローが整った仕事もあり、正社員への登用プランを具体的に示している優良な企業もあります。しかしそれは極々まれ。一般企業における事務職や経理職で嘱託社員として採用された場合には当てはまりません。

「契約社員」なら不安定ながらも法的に守られている面が大きく、労働契約は一般的なものであるところが多いのですが、嘱託社員の場合はほとんど治外法権のような形で野放しになっている現状です。企業主導で物事が進み、恩も義理もなくバッサリと期間が来たら切られてしまいます。

特に大学事務における嘱託職員は、当初の契約時点で「5年間のみ」という契約を結びます。学内における若返りや、高齢化を防ぐため、かなり強引に職員の平均年齢や平均年収を調整しているのです。大学名をブランド代わりに使用し人を集めるため、集客・求人面で困ることが無いのです。

「定年後には嘱託社員としての採用もおこなっている」という企業は、老後の収入についても考えてくれる良い企業であるといえますが、「嘱託社員として」の転職採用をおこなっている企業は、なぜ契約社員としての採用ではないのか?なぜ正社員としての採用ではないのか?という実態面をよく考えて応募する必要があります。

目的から派遣会社を探す