初めての派遣社員!派遣の仕事開始までの流れと仕組み

派遣の仕組み、派遣社員・派遣会社・派遣先の関係性を示した図

「派遣」とは、派遣会社(派遣元)に登録(派遣登録)をして、派遣会社が紹介する勤務先(派遣先企業)で働くことを言います。

派遣社員 アルバイト 契約社員 正社員
雇用形態 間接雇用 直接雇用 直接雇用 直接雇用
雇用主 派遣会社 勤務先 勤務先 勤務先
給与 時給 時給 月給 月給
賞与※ 無し 無し あり あり
雇用期間 有期 有期 有期 無期

※賞与は就業先によります。派遣社員でももらえることはありますし、正社員でももらえないこともあります。

表を見て分かる通り、派遣社員は正社員とほぼ真逆の存在です。社会的に「不安定」だと認識される理由は明らか。自ら進んで「派遣社員になりたい」と思う方は非常に少ないでしょう。しかし、派遣という働き方は今の時代に即しており、今後その社会的格差も解消されていくはずです。

人材派遣と有料職業紹介の違い(派遣ガールズイラスト)

いわゆる「転職エージェント」を利用して働く際の違いです。派遣会社は「仕事を紹介」するのに対し、紹介事業者は「就職先を紹介」してくれます。

  • 労働者派遣事業(派遣会社)
    派遣会社に「登録」し、派遣先が決まるごとに派遣会社と雇用契約を結ぶ。
  • 有料職業紹介(転職エージェント)
    就職・転職の仲介を行い、就職先が決まると就職先で雇用契約を結ぶ。

あなたが将来何を目的に派遣会社に登録するのかこれらの図表を参考にして下さい。


当サイト「派遣ガールズ」は、派遣の仕組み法律就業後のトラブルや悩みを解決する「派遣の教科書」です。特に派遣の「実態面」にフォーカスし、派遣という働き方を選ぼうとしている方が安心して就業できるように情報をまとめています。

酒井先生
派遣会社営業マンの酒井です。皆さんは「派遣」という働き方についてどういったイメージをお持ちですか?
みなみ
う~ん・・・。正直、あまりいいイメージはありません。
酒井先生
そうですね。残念ながら派遣に対するイメージは決して「良い」ものではありません。しかし、人口減少・少子高齢化・働き方改革・東京オリンピックなどの背景から派遣の需要がどんどん伸びています。正社員の給料は上がらないのに、派遣社員の給料は毎年上がっていることもニュースでよく取り上げられています。また女性にとってワークライフバランスを維持できる最適かつ効率的な働き方として注目されています。
れいか
それは知らなかったわ。でも派遣切りって言葉があるように、待遇はいいものじゃないんでしょ?低賃金で使い捨て、有給も取れないってよくニュースでやってるじゃない。
酒井先生
それは一部の悪質な派遣会社によるもので、大手の派遣会社はむしろ高賃金・高待遇、条件が整えば育休・産休・有給も自由に取得できます。ドラマ「ハケンの品格」でも話題になりましたが、正社員よりも派遣社員の方が高い収入を得ることも珍しくありません。派遣なら時給2000円以上も夢ではなく、好きなときに働き、育児や自分の時間も捻出できるのです。
れいか
確かに今はダイバーシティなんて言葉もよく耳にするし、性別や働き方の多様性を認める動きが多く見られるわよね。福利厚生も含めて派遣のイメージも徐々に変わってきているのかしら。
みなみ
雰囲気は掴めましたが、難しい言葉がいっぱい出てきてちんぷんかんぷんです・・・。
酒井先生
派遣は労働者派遣法を基準に様々な法律で成り立っており、社会的なイメージと実態のギャップ・誤解が非常に大きい分野です。当サイトでは特にその「実態」について丁寧にまとめています。

派遣社員の3つの誤解

派遣社員の給料が低い事に関する誤解

派遣社員は派遣先ではなく派遣会社がお給料を払うため、必ず「実働」で給与が計算されます。文章で見ると当たり前のように感じますが、正社員の実態はそうではありません。無言の圧力によるサービス残業や休日出勤、形に残しにくいその他の労働時間が蓄積されます。つまりこの実働を時給換算すると1486円という悲しい数値になるのです(男女500人:マイナビフレッシャーズ)。

当然、派遣社員も残業を頼まれることはありますが、それは派遣会社に申請をすれば良いだけなので、現場で誰かに気を使う必要もありませんし、契約書で「◯曜日は残業可能、残業可能な場合◯時間まで可能」と詳細に記載されているためそもそも派遣先の方が残業を頼みにくいということもあります。

派遣社員の立場に関する誤解

「安定」の定義は人によりますが、例えば「安定的な雇用」を望む場合、それは間違いなく安定します。なぜなら派遣会社の仕事は、派遣社員に対して仕事を紹介することであり、その仕事は各派遣会社が何万件と抱えているからです。また派遣会社は全国に8万事業所も存在しています。それだけ仕事がある人手が足りないということなのです。

たまに「仕事を紹介してくれない」と嘆いている方がいらっしゃいますが、その方は案件を絞り過ぎていたり、現実離れした希望を出している可能性があります。先程も解説しましたが、仕事を選ばなくても通常のOLよりも高い時給を得ることは可能です。特に最初の就業は固定概念を捨てて、営業マンの提示する仕事を体験しイメージを掴んでみると良いでしょう。

派遣社員の将来に関する誤解

派遣にはここに書ききれない程のたくさんのメリットがありますが、悩んでいる方はまず派遣登録をし、担当コーディネーターから話を聞いた方が理解もイメージも早く掴めます。登録したからといってすぐに就業スタートになるわけではなく、そこから面談を重ねてあなたにあった働き方を提示したり、時には「派遣社員はやめた方がいいかもしれません」という話をしたりします。

「派遣」とは、数ある雇用形態の一つに過ぎませんので、ずっと派遣で働き続けることに対して将来に不安を抱えるのは当然のこと。働き始めてしまったからといって、将来が決まるわけでもありませんし、就業してからその魅力に気付き派遣を極めて高時給を得る人、そこから正社員にステップアップする人など様々です。

派遣切りの実態
「派遣切り」とは、契約満了を待たず、強制的に契約を打ち切られることを言います。しかし契約社会の日本で、実際に不当な派遣切りが行われることは非常に少ないです。また実際に派遣切りに遭ったとしても、その責任は全て派遣会社にあり、かつ仕事自体は派遣会社が勝手に見つけてくるので仕事に困ることはありません。派遣の仕事は溢れるほど存在します。言葉のイメージと、実際の派遣の現場には大きくギャップがあります。

その他、派遣には難解な言葉や法律が多く存在します。多くの派遣社員から得た疑問点をこちらでまとめていますので参考にしてみて下さい。

初めて派遣登録する方におすすめの派遣会社

当サイトおすすめ派遣会社!スタッフサービス オー人事net

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求人数 ★★★★★★
地域 全国
福利厚生 ★★★★★
営業マンの対応 ★★★★★
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酒井先生
スタッフサービス オー人事の最大の特徴は、なんといっても求人数の多さです。いくらスタッフの対応が良くてもサービスが整っていても求人がなければ意味がない!そんなあなたにピッタリのサービスです。

悪徳な派遣会社に注意!派遣会社選びは超重要

日本の労働者派遣事業所は76,585所(2018年6月現在:日本人材派遣協会)あり、日本の総人口に対して飽和状態にあります。これは派遣事業を起こすことが日本の制度上容易であるため、異常なまでに増えすぎてしまっていることが原因です。その数はアメリカの約4.5倍。割合としてはコンビニの数より多い現状です(※コンビニは約55,000店舗.17.02)

派遣に対する社会的イメージが悪いのは、会社としての基盤ができていない派遣会社が多すぎることが原因です(不動産や金融業界と同じ)。言い換えれば、派遣会社としての基盤がしっかりできており、大手として実績があるところから登録すれば何も問題がなく、安定した雇用・収入・ワークライフバランスを手に入れることができます。今の派遣のイメージも同様ですが、下で悪さをしている派遣会社だけが世間を賑わせており、全うに仕事をしているテンプスタッフやアデコなどが風評被害を受けている現状なのです。

派遣に関する基礎知識

派遣社員として働く場合、まず派遣会社に「登録」をする必要があります。登録後、派遣会社から仕事をいくつか提案してもらい、自分の希望通り(職種・時給・勤務時間など)の仕事が見つかれば、すぐにお仕事をスタートできます。人気の仕事であると簡単な選考が行われる場合もありますが、就活時のような学歴至上主義でもなければ、二次・三次といくつも選考をくぐらなければならないものでもありません。履歴書が派遣先企業に渡ることもないので、あなたの学歴等が知られることもありません。

一回の面談・顔合わせで採用が決まるので非常にスピーディーです。普通に就職・転職活動を始めると、就職を決めるまでに数ヶ月、決まって実際に働き始めるまで数ヶ月と、かなりの月日を要しますが、派遣であれば登録後最短即日で働き始めることが可能です(仕事紹介から働き始めるまで約1週間が平均)。

みなみ
早く働きたい気持ちもありますが、アルバイトではないのでそんなに簡単に仕事が決まってしまうのも少し不安です。注意点などはないのでしょうか?
酒井先生
詳しくは「派遣会社の選び方」をご覧ください。一言アドバイスをするとなれば、自分が思う「いい仕事」と、派遣の営業マンが「いい仕事」として勧めるものはまるで違うということです。それを素直に受け入れられる人が、派遣社員として成功していますね。
れいか
ついつい会社名や、時給、待遇だけを見て希望を出してしまいがちだけど、それは他のみんなと同じ目線ってことなのよね。だから必然的に倍率も高くなるし、結局上の人から採用されちゃうわけね。
酒井先生
その通りです。またいわゆる「ホワイト企業」というのは正社員にとっての言葉であり派遣社員にとってホワイト企業であるかは不明です。会社名は伏せますが、雑用全般を派遣社員に任せることで正社員の働きやすい環境を維持している会社もあります。そうした総合的な側面を考えて、派遣社員の方に最適な仕事を紹介しています。

派遣料金の内訳

派遣料金の内訳、マージン率

「派遣=ピンハネ」という誤解をされている方も多いと思いますが、ここまで派遣社員のニーズが高まり、派遣会社が乱立し切磋琢磨の状況を生み出している昨今、それはあり得ません。またマージン率等の公開が義務付けられ、「搾取」をするような仕組みはなくなりました(昔は確かにありました)。

上グラフのように派遣料金のうち、派遣社員に実質的に還元されるお給料・賃金は約7割。また社会保険や有給休暇に当てる費用も含めると、派遣料金は85%が派遣社員に還元される仕組みとなっています。もちろん派遣会社もボランティアではないので、そこから会社の利益、営業マンのお給料や諸経費を引きますが、もう派遣社員が搾取されるようなことはありません。

派遣社員の平均年収の実態

平成27年度人事院調査によると、派遣社員の平均年収は246万円でした。

この結果に対して「高い」と思う方もいれば、「安い」と思う方もいます。しかしこれは単純に月の収入を12倍した数値ではありません。派遣という働き方の根底にあるのは「自由」です。自由な時間に、欲しい金額だけ稼ぎ、ライフワークバランスを充実させることが派遣という働き方です。

つまり、この平均年収の算出元データの母数は、様々な働き方をしている人たちが含まれた上での結果であって、汗水垂らしながら1年間働き続けた人全ての結果ではないんです。

実際に時給2000円以上、フルタイムで勤務し月収30万~50万近く稼いでいる派遣社員も多く存在しますし、育児・家事との両立のため時間があるときだけ自由に働いている方もいます。

言い換えればこの246万円という平均年収の結果は、何にも縛られず自由に働くことができることの証明なのかもしれません。むしろ普通のOLより貰っている印象すら受けます。

実際に私は派遣の営業マンとして様々な人を送り出してきましたが、その生活環境・背景が人によって異なるため、ガツガツ働いて稼いでいる人もいれば、育児や自分の時間を大切にしたいために週2~3回しか働かない方もいました。

派遣社員・正社員・公務員・契約社員・アルバイトの比較

派遣社員・正社員・公務員・契約社員・アルバイトの比較

派遣社員としての働き方を端的に表現すれば「安定的・継続的に仕事があり、高時給かつ自由な時間に働くことができる仕事」です。

恐らく、あなたが感じている派遣社員のイメージとは大きくかけ離れていると思いますが、これは真実です。派遣社員としての働き方の根底は「自由」であり、もちろん望まなければ「低時給で楽な仕事」という案件もあります。あなたが本当に望む働き方ができる場所です。

給料を支払うのは派遣会社なので、派遣先に気を遣った「サービス残業」という概念もありません。育休・産休・有給も正社員と同等に権利が与えられます。派遣契約時に無かった仕事であれば急に依頼されてもやる必要はありません。期間が決まっているので、自分に合わないと思ったら次の契約更新時に仕事を変えることができるため人間関係でトラブルになることもありません。

確かに長く働きたい場合は、この「契約更新」がデメリットになることもありますが、辞めたい・合わないと感じたときは、この契約更新まで最低我慢すればこちらから切ることも可能なのです。

また「賞与がもらえない」というのもデメリットと感じるかもしれませんが、これは正社員にとってのサービス残業や低すぎる固定給の調整でしかありません。むしろ賞与をありがたがって貰うのもおかしな話。単なる賃金の後払いにすぎません。派遣社員としては賞与がなくても、その分時給で大きく還元されており、年収で比較すると正社員と全く大差が無いことに気付きます。

アメリカでは正規雇用と非正規雇用に社会的地位・賃金格差がないことで知られていますが、日本もそのような雇用形態に近づいている証拠と言えます。

派遣社員は契約社員のように会社の捨て駒にされる心配もありません。派遣先企業が倒産してもそこの社員として雇われているわけではないので私たちは痛くも痒くもありません。派遣会社が倒産しても他の派遣会社に「登録」してしまえば簡単にあなたの雇用主は見つかり、仕事を即日で紹介してくれます。

これらは全て派遣会社があなたの雇用主だから実現できることです。派遣の仕組みや実態がなんとなく理解できてきたでしょうか?

【参考】労働者派遣関連法令