派遣社員として働く11のデメリット~派遣登録前に必ず読んで下さい

みなみ
みなみ、派遣社員として働くことに決めた!高時給・未経験可・近場で早速探してみるね!!
れいか
ちょっとみなみちゃん落ち着いて。派遣は魅力がたくさんあることは分かったけど、よく調べる前に走りだしたら以前の二の舞いじゃない。
酒井先生
今回お話する内容は「派遣のデメリット」に関してですが、これは私が実際に派遣登録に来られる方全員に説明している現実・リアルのお話です。この話を聞いて「やっぱり派遣社員は辞めます」と方向転換される方も少なくありませんので、派遣登録の前には必ず目を通すようにして下さい。

派遣社員の実態・派遣社員として働く11のデメリット

派遣会社の営業マンとして働き10年以上になりますが、やはり「人材」のお仕事には光と闇があります。

全ての仕事は「人」で成り立っており、そこに派遣社員正社員非正規正規もありません。実際にアメリカでは正規雇用も非正規雇用もその格差が無いことで有名ですが、日本においては間違いなく正規雇用者と非正規雇用者の格差があります。これは理屈ではありません。そうした側面を含めた派遣社員としての11個のデメリットを端的に解説していきますので、派遣登録を考えている方は、必ず登録前に目を通すようにして下さい。

このデメリットは、派遣社員として働き始めて確実にぶつかる壁・コンプレックスとなるものです。それを乗り越えた対価が、高時給・時間的な自由であると私は思っています。

①3年以上働き続けることができない

派遣先企業で働き続けることができる最長期間は「3年」です。これを抵触日といいます。あくまで派遣社員を守るための法律なのですが、現代のニーズとしてはこの抵触日がかえって邪魔になっているようです。

派遣法において、派遣社員は基本的に「弱い」立場と捉えられているため、派遣の身分のまま3年以上働かせることを良しと思っていません。同じ職場に3年以上「派遣」のまま塩漬けにすると、派遣法違反になってしまうためです。3年以上続けて働かせる場合は、その派遣先が正規雇用・直接雇用しないといけません。

一見、派遣社員を守るいい制度のように思えますが、全員が全員「正社員になりたい」と思っているわけではありません。

時間の融通が利き、責任を負う必要もなく、時給が高い派遣の立場を望んでいる方はたくさんいます。また企業にとっても直接雇用による人件費という大きな固定費を抱えてしまうことになるため、抵触日が邪魔な制度になっているのです。

②正社員との社会的格差を感じる

基本的なことになりますが、派遣社員は派遣先企業の社員ではなく、派遣会社の社員になります。つまり、派遣先企業の社員の方にとって派遣社員であるあなたは「お客様」である認識の方が強く、またずっと働き続けるわけではないため「どこまで教えればいいんだろう」「教えなくてもどうせいなくなるからいいか」と社員らにとっても混乱を招く原因になります。

また私たち派遣社員が求めているのは「お金(時給)」「時間」であるのに対して、正社員の方たちは「会社の業績」「どうしたらこの会社はよくなるか」という全体像で俯瞰しています(全員ではありませんが)。

従って、仕事のやりがいや、会社として目指しているものについて方向性を乱す要因だと、周囲からの目が厳しく感じられるときがあります。もちろん全ての会社でそうというわけではありませんし、派遣社員のみで構成されている仕事に派遣されれば精神的には非常に楽です(テレフォンオペレーターキーパンチャー一般事務・OA事務など)。

ただあなたという存在に対して全員が対等な立場で見てくれることはないと思って下さい。派遣社員というものを「下」に見ていたり、同じ仲間と見て接してくれないことも往々にして起こることでしょう。

③責任ある仕事を任せられない

女性で事務を希望している方はあまりデメリットに感じないかもしれませんが、基本的に責任ある仕事を派遣社員に任せることはありません。

単調な仕事や、いわゆる「誰でもできる仕事」を任されるため“やりがい”は生まれにくいです。また仕事のやり方や方針に対して基本的に口をだすことができないため、働くことのモチベーションは維持しにくいでしょう。

しかし、経験を積み・スキルを蓄え・資格を取得し、将来的に「派遣のスペシャリスト」になれば、一般の女性事務としては考えられない時給と待遇が用意されています。私が派遣した事務の最高額は時給4000円。いきなりここを目指すのは難しいですが、毎日の仕事の取り組みや、実績を徐々に積み重ねていけば、確実にやりがいやモチベーションは生まれてくるはずです。

④ボーナス(賞与)が出ない

派遣の給与は「派遣会社」から支払いされているため、派遣先の企業からそれとは別のお給料やボーナスが支払われることは基本的にありません。

しかし極マレに、派遣先からのご厚意でボーナスを派遣社員へ支払うことがあります。それは勤務態度が真面目だったり、極めて優秀な実績を残してくれた方に対して支払われます。ただ、派遣社員と派遣先企業は直接つながってはいけないので、派遣会社を通じてボーナスが支払われます。

shouyo

ただ私は派遣社員に対する「賞与が出ない」「退職金がない」とよく言われることに対してあまりデメリットとは感じません。というのも、賞与や退職金というのはあくまで社員に対する「賃金の後払い」の性質の方が強いからです。常に提供したその仕事に対する対価を受け取っていれば、賞与も退職金も本来必要ないはずです。芸能人やプロスポーツ選手がその例です。

派遣社員の給与が高いのは、常にその仕事としての対価を受け取っているからです。つまり、「派遣社員の給与が高い」というのは誤りで、「正社員の給与が低い」と表現した方が適正なのです。あえてこの項目をデメリットとして表記しましたが、賞与が貰えないことをあまりデメリットと感じないようにした方がいいでしょう。

⑤契約を切られる可能性がある

派遣の契約は主に「3ヶ月毎」あるいは「6ヶ月毎」となっており、その最長の更新が抵触日(3年間)です。この短期の3ヶ月ないし6ヶ月契約期間ごとに、あなたの才能を判断して再更新あるいは契約終了となります。言い換えれば、更新の度にあなたの評価が出るので、常に新鮮な気持ち、緊張感を持った気持ちで業務に取り組まなければいけません。

いわゆる「派遣切り」というのは、「3年間は働けると思っていたのに契約を更新してくれなかった」ということを言うのではなく、契約期間内で契約を切られることを言います。例えば、3ヶ月の契約期間内の2ヶ月目で契約を切ることですが、今の御時世それが現場で行われることはほぼありません。バブルやリーマンショックの時期は、生産の減少などを理由に契約の期間途中で打ち切った会社もありましたが、現在では法改正がかなり強化されていてやむを得ない事情でない限り、労働者保護の観点で勝手に労働の契約を打ち切る事はできません。

企業としても派遣法違反になるため、余程の経営難の会社でなければ「派遣切り」という選択はしません。

しかし、仕事に慣れることができず、初回更新で拒否されてしまった派遣社員というのは派遣会社にとっても「あまり優秀な派遣社員ではない」と認識され、いわゆる高待遇の派遣の仕事を紹介してくれなくなります。一応、3ヶ月・6ヶ月という更新まで働くことができれば「契約満了」まで働いたことになるため職歴は傷つきませんが、短期の契約が続いてしまうと今後に影響があることを覚えておきましょう。

⑥自分で仕事を探すと競争率が激しい

派遣会社の仕事は「派遣社員の仕事を見つけること」ですが、もちろん自分でも派遣会社のHPから仕事を探して選ぶことができます。しかし、そうして選んだ会社はあなただけではなく、周りの人にとっても魅力的なことが多く、非常に選考倍率が高くなります。

また「派遣社員にとって人気の会社」と「派遣会社が派遣社員に推薦する会社」は全く違います。派遣社員に人気の会社は、いわゆるネームバリューがあったり、時給が高くて楽そうな仕事に集中します。しかし、派遣会社が派遣社員に勧める会社は、ネームバリューはそこそこだけど働きやすく時給も仕事環境も悪くない、といったものが多い印象です。つまり隠れ案件。

自分から希望する仕事は競争相手が多く決まらないことが当然多いため、個人的にはおすすめできません。特に社会人経験が無かったり、特殊なスキル・資格が無い方は、そのような人気案件に応募してもただただ消耗するだけなので、営業マンに頼んで仕事を見つけてもらう方がいいでしょう。

そこで経験を身につけてから人気の案件に応募する方が、他の応募者とも差別化が図れます。派遣初心者の方は、最初は妙なプライドを捨て、全て営業マンに任せたほうが確実です。

⑦交通費が自己負担であるケースが多い

多くの派遣労働者の交通費は自己負担となっています。しかもそれを個人の所得から経費として認められないため、単純なあなた自身の出費となります(無駄な税金を払う必要があるということです)。現在のシステムでは派遣労働者の交通費を非課税として申告できないのです。既に何十年も問題になっているのに、いまだに解決される気配はありません。

また「交通費支給」と派遣会社や派遣先企業が謳っていても、肝心の時給が低く設定されたりするため、単に求人の「見せ方」の問題になっています。税金の兼ね合いによる損益分岐点は案件によるため、一律で正社員と同等の交通費を受け取ることは今は困難(どんなケースでも実質自己負担になっている)です。

所得税:10%
出勤:200日
労働時間:1500時間
交通費(往復):500円

  1. 時給2000円(交通費自己負担)の案件で働き続けたケース
    2000円×1500時間=300万円(所得)
    300万円×10%=30万円(所得税)
    500円×200日=10万円(交通費:自己負担
    300万-30万-10万=260万円(手取り)
  2. 時給1950円(交通費会社負担)の案件で働き続けたケース
    1950円×1500時間=292.5万円(所得)
    292.5万円×10%=29.2万円(所得税)
    500円×200日=10万円(交通費:会社負担
    292.5万-29.2万=263.2万円(手取り)

上記の例のように、一見「①」の方が時給が高くて美味しい案件に見えますが、実は「②」の方が最終的な手取りは高くなります。これは交通費が誰持ちなのか、交通費が税金から差し引かれるか否かが大きく問題になるからです。案件を見るときもただ時給の高い順にソートしても、それが必ずしも自分の手元に残るお金になるかどうかは別だということです。

⑧有給休暇が事前申告に限定

派遣社員の有給取得は事前申告に限る」という規則になっている派遣会社は少なくありません。つまり、急病など当日の急な欠勤は有給扱いにしないよう、派遣会社の利益優先になっているのです。例えば2017年の年初はインフルエンザが大流行していますが、それも有給として使えないケースが出てくるのです。

また、その有給の金額も全額補てんしないという派遣会社が存在します。これは、現行の労働基準法が金額を100%保証していないためでもありますが、正規雇用ではまず考えられないことです。

今はテンプスタッフやリクルートスタッフィングなど、大手の企業が躍進してくれているおかげでかなり派遣社員の有給取得制度について柔軟になってきていますが、新規参入企業が多い業界なので、聞いたことのない派遣会社に登録して仕事を開始してしまうと痛い目をみることになります。

⑨派遣会社によって時給が異なる

同じ派遣であっても、どこの派遣会社に登録しているかで給与にかなり差があります。

派遣を依頼する企業自体は、派遣会社に同じ料金を支払っていますが、どれだけ仲介料や手数料として搾取するかは派遣会社次第だからです(マージン率)。どこの派遣会社に所属しているかによって給与に差が出てしまうため、同じ派遣先で同じ仕事量をしているのに他の派遣社員と給料が違うというおかしな事態が起こります。

この問題については、その派遣された企業で共に働く他の派遣会社から派遣された社員に聞くしか方法はありません。しかし一度その尻尾をつかめば、その派遣会社自体が、搾取する金額が多いという実態はわかります。あなたが派遣された企業についてだけ手数料が多いのではなく、会社として「マージンはこれだけ取る」と決めているので、もうその派遣会社で仕事を探さなければいいだけの話です。

⑩経験者案件と未経験者案件の差が大きい

経験者案件だと時給は1500円~MAX4000円。
未経験者案件だと時給1000円~1500円がいいところです。

これはメリットともデメリットとも言うことができますが、「派遣をこれから始めよう」という方には非常に大きな参入障壁となります。

まず派遣で一番重要なのは「経験」です。社会人経験というより、派遣社員としてのその業界の経験です。「一般事務」や「受付」「テレフォンオペレーター」など融通が利く案件を一度でも派遣で経験してしまえば「業界経験者」として案件を選び放題になるのです。しかし、全くの未経験者だとどうしても仕事が制限されてしまい、プライドが高い方だと中々仕事が見つかりません。

派遣会社の営業担当がせっかく見つけてきた仕事も「こんなことしたくない」とはねのけられてしまい、個人でやりたい仕事をヒアリングすると、どうしても高時給・高待遇で花形のお仕事ばかりを選ばれます。『⑥自分で仕事を探すと競争率が激しい』でもお話しましたが、自分が「魅力だ」と感じるものは他の人にとっても魅力的に映るものです。当然に倍率は高くなるのですが、ずっとそこで働くわけではないので、実はこだわりや夢を持って派遣の仕事を選ぶのもおかしな話なのです。

私がいつも言っているのは「とにかくこの仕事をまずやって下さい!その後は自由に選んでいいですから。」というもの。長くても3年、短ければ初回更新2~3ヶ月で終わりです。3年というのも制限ギリギリの期間なのでほぼありません。それを我慢すれば(仮にその仕事が気に入れば時給の交渉も可能です)、経験者として仕事を選ぶことができます。繰り返しになりますが派遣で重要なのは「経験」であり、最初は派遣会社に自分の身を委ねる覚悟が必要になります。

⑪派遣会社によって待遇が全く異なる

派遣社員としての人生を成功させたい場合、その9割以上は「派遣会社選び」にかかっていると言っても過言ではありません。何度も解説している通り、派遣社員であるあなたを雇用しているのは「派遣会社」であり、派遣先企業ではありません。

お給料を貰う相手である派遣会社については本当に慎重にならなくてはいけません。どんな仕事をするのか、どこで仕事をするのか、というのは実はあまり派遣社員として重要ではなく、派遣会社、もっと言うと派遣会社の営業マンに全てがかかっています。

派遣会社や営業マンが怠慢だと、給料が支払われない・福利厚生が全くない・個人情報が流出する・仕事を紹介してくれないなどなど、労働者に与えられるべき当然の権利を行使できないこともあります。いくらなんでも給料が支払われないなんてことは・・・と思う方も多いと思いますが、派遣の事業所は全国に85000所ほどありその数はコンビニよりも多いと言われているんです。給料が支払われないということは実は往々にして起こっているのです。

ですから、最低限派遣会社としての歴史・実績がある派遣会社から派遣登録を行うようにしてください。

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