



「未経験OK」と「スキル不足」
「未経験OK」という言葉は求職者の人気ワードのひとつになります。
事務経験がある方でも、ハードルを下げるように「未経験OK」という項目にチェックをつける人もいます。特に、20代の若い人を集めたい派遣会社としてはこのワードを多用します。
企業側にとっても「未経験OK」だと経験者・未経験者を含めた求職者がとても多く集まるし、かつ「未経験OK」として募集をかけているのでそこまで高い時給を設定しなくてもいい人材を数ある中から選べるため非常に効率的なのです。
「未経験OK」と記載されていても「対象となる方」の項目を見て判断
求人の案内文やキャッチの部分では「未経験OK・歓迎〇〇会社での事務」など誰にでも当てはまるような文言が多いです。それは、多くの求職者がクリックして応募することを狙っているからです。しかし、「仕事内容」や「対象となる方」の欄を見ると、「Word・Excel・簡単な英会話ができる方」としっかりスキル面でのフィルターを記載していたりします。
リクナビ派遣~上智大学の事務「未経験歓迎」に記載の「対象となる方」
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引用:リクナビ派遣
こちらはリクナビ派遣で「未経験歓迎」の案件の中から上智大学の大学事務員の派遣社員の応募を引用しました。
これはつまり、業界が未経験であっても「ある程度の教養やスキルは必要」といった意味になります。学歴や資格は派遣の選考に当たってほとんど考慮されることはないのですが、こうした案件は応募しても「スキル不足」として落とされる可能性が高くなります。
注意すべき文言①「事務経験の浅い方でも安心」
この文言の意図してること・裏の心理は「多少の事務経験が必要です」ということとなります。最低でも1年以上の事務経験が問われていて、「浅い方」というのも未経験では受からないことを意味しています。
逆に一度でもどこかで事務経験を積みさえすれば、いとも簡単に「受かってしまう」ほどのものなので、かなり仕事の幅が広がります。
注意すべき文言②「何らかの事務経験がある方、業界経験不問、業界経験あれば尚可」


例えばあなたが人事の採用係だとします。採用側の気持ちとして、3人から1人を選ぶのと、10人から1人を選ぶのではどちらの方が正確な判断が下せる(より細部まで人選・比較ができる)でしょうか。当然ながら、後者です。
「派遣」という性質上、猫の手も借りたいくらい急務な現場もありますが、できるだけ多くの中から人選したいと思うのは企業なら自然のことです。そのため派遣求人の広告担当(営業)や人事担当者は、より多くの派遣スタッフの目に留まる言葉を使って、半ば釣り広告的に募集を行っています。
求人票上の会社ステータスがとても魅力的に映ることでしょう。しかし、「業界経験不問」と書かれている案件に応募するのは決して「業界未経験者」だけではありません。経験者であっても、自分の実力を活かし、多少時給が低くても楽に働きたいと思う派遣スタッフは多いものです。
企業としては、応募数も増え、慎重に人選ができる、あわよくば低時給で経験者を採用できる、とメリットが満載なのです。初心者と経験者が同時に応募してくれば、当然経験者を採用する企業が大半でしょう。言い換えれば、「何らかの事務経験」とは、曖昧なものではなくしっかりとアピールできる「事務経験」がなければ土俵にも上がれないということなのです。
また「尚可」が意味するのは、「必須」ということです。その他「少なからず」「最低でも」という表現も同義です。
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引用:リクナビ派遣
上記は保険事務に関する某求人ですが、記載からは「生命保険業界での経験があれば尚可」というイメージがありますが、企業側の心理としては「生命保険業界での経験がある方がいれば未経験者よりも優先します」という意味になります。
こうした直接的な表現を使わないのは、それが「選考」に当たってしまうからです。派遣では実態上「選考」が行われているのは周知の事実ですが、表立って人選すると派遣法違反になってしまうのです。
「何らかの事務経験」に該当する仕事
とは言っても、自分は対象なのか微妙なラインで悩んでいる方も多いでしょう。また全ての企業が上記のような思惑であるわけではありません。仕事内容や業種、立地、環境でも応募数は増減するため、もしかしたら「何らかの事務経験」が全く無くても採用してくれる企業はあるかもしれません。
一般的に妥当と考えられる「何らかの事務経験」は、派遣社員、正社員における一般事務、営業事務など「事務職」の経験です。
「事務職」として働いていれば何も問題ありません。しかし飲食店やアパレルの接客、コンビニの店長でも、正社員であればデスクワークが実は大半を占めていることもあります。これもきちんと説明できれば「事務経験」になります。あえて曖昧な言い方をしている理由も、初心者にイチから教える余裕は無いが会社として事務職にウェイトを置いていないことが分かります。
大変失礼な言い方ですが、事務は誰でもできる仕事です。だからこそ派遣で最も多い求人数の職種でもあります。「事務未経験者」を対象とした無期雇用派遣サービスも増えているため、自信がない方はそこでスキルを磨くのが近道になるかもしれません。
無期雇用派遣を目指す!テンプスタッフ

求人数 | ★★★★☆ |
地域 | 全国 |
福利厚生 | ★★★★★ |
営業マンの対応 | ★★★★★ |
総合評価 | ★★★★★ |
- 7年連続業績No.1 ※2017年度パーソルホールディングス(株)連結、(株)オーピーエヌ 「2018年調査人材ビジネス業績ランキング」
- 業種カバー率100% 常時7,000企業(大手、ベンチャー問わず)、30,000件以上の求人数
- 2600以上のスキルアップ講座
- 未経験求人が豊富
- 「直接雇用前提」の無期雇用派遣サービス

こちらもおすすめ。パソナ派遣

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注意すべき文言③「Excel基本操作+V LOOKUP」
事務経験は必要なくても、パソコンスキルが必要となる場合も多くあります。特によく見かける「V LOOKUP」は商社やサービス業、経理事務ではエクセル操作の基本となります。
「指定した範囲から検索条件に一致したデータを検索し、取り出す」作業です。この場合は、パソコンの基本操作はもちろんですが、エクセルを駆使した作業がメインとなる可能性が高い仕事になります。
一度覚えてしまえば業務として難しいわけではないのですが、「会社があなたに教えられるほど暇ではないので最初からスキルがある人来てください」といった意味合いになります。
真の「未経験OK」の仕事を探し出す方法
対象となる方に、「人柄重視」「事務未経験OK」「急募」「大量募集」のみ記載されたものは「誰でもいいから人材が欲しい!!」といった緊急度合いが伺えます。
「尚可」や「〇〇のスキルがれば望ましい」といった言葉があると、企業としては「経験者」を探していると思った方が良いでしょう。他にも「社会人経験なし」といった言葉も未経験OKに近い言葉です。
「未経験OK」でもスキルは問われる
人柄重視といっても、スキルが問われることがあります。特に事務の仕事にもなると、ワードに打ち込むスピードやエクセルの基本操作までは覚えておく必要があります。また、「言葉づかい」や「髪の色」「化粧の仕方」などの外見面・性格面も判断されます。
「スキル不足」は断り文句の可能性もある
外見や年齢でフィルターをかけることは派遣では禁止されています。
実は派遣の面談では履歴書が不要のため、派遣先に年齢や職歴が伝わることはありません。そういった場合、派遣先はあなたの容姿(見た目)などで年齢を判断し落とすことが往々にして行われています。
特に秘書や受付など、多くの人前に触れる機会がある仕事は、年齢や見た目が選考の項目(顔採用)となっている場合があります。
派遣会社がそういった場合に派遣社員に「スキル不足で今回はなかったことになりました」といった言葉を使う可能性があります。
年齢のフィルターは求人に謳っている言葉で判断
派遣会社が出す求人で年齢の若い人を集めたい時に使う言葉が「20代中心の職場」「平均年齢25歳の職場」といった、職場の年齢層を表現する文言です。
こういった文言の本当の意味は「30、40代の方は募集していません」と「若い子しかいないのでオジサン・オバサンは応募しないでください」いった意味が込められています。逆に、経験者でベテランを集めたいときは「30代中心の落ち着いた職場」「平均年齢35歳の職場」といった文言を使い、ベテランで即戦力となる人材を求めていることをアピールしています。
「スキル不足」で断られたときは派遣会社に理由を聞いてみる
断り文句のように使われることの多い「スキル不足」という言葉ですが、「どういった面が不採用の要因なのか?」「どんなスキルが必要だったのか?」、派遣社員としてはハッキリしてほしいものですよね。
ただ、派遣会社としても派遣先から落選の理由として言われる言葉はあっさりしており「他の派遣会社の人に決めました」「今回はなかったことに」といった悶々とするものばかり。
それでも派遣会社の営業担当は数多くの採用に携わっているため、何となく落選の理由はわかるもの。次の選考に活かすためには、残念ながら落ちてしまった場合は営業担当に理由を聞いてみましょう。就業の意思を伝える手段にもなるため、次回からは応募の段階でさらにサポートしてくれるかもしれません。
就職活動のときでも同じようにハッキリとした理由は分からないまま、落とされることが多くあるように思います。しかし、一人で行う就職活動とは異なり派遣社員には営業担当が付いています。アドバイスやあなたに合った仕事を見つけてくる存在でもあります。派遣社員としての利点のひとつは1人で仕事を探すことがないことかもしれません。