



派遣社員の時給・給料が上がる有利な資格
基本スタンスとして、派遣社員に資格は必要ありません。しかし、もしあなたが派遣社員として給与を受けて稼ぎ続けようと思うのであれば、資格が必要になることもあります。つまり、資格を持っていることは、「必ずプラスになるわけではないが、マイナスになることは絶対にない」ということを意味します。
この記事では、そうした方を対象にした「持ってくれていたら嬉しいな」という企業目線の必要資格について紹介していくことにします。
派遣社員でも「時給を上げたい」「仕事の幅を広げたい」という理由で積極的に資格取得に励まれる方は少なくありません。しかし誤解しないでいただきたいのが、資格は取れば取るほど良いというわけではないということです。
資格は何百・何千と存在しますが、社会的な評価を受けられる資格というのは実は極わずかです。また事務派遣を目指すあなたの場合は、特にその選別を行うようにしないと非効率です。
※「★」は5段階の難易度を表しています。
日商簿記検定2級
おすすめ度:★★★☆☆
経理業務として持っている人が多い基本的な資格です。簿記・会計はビジネスパーソンの必須の基本知識でもあります。主に経理・財務・人事で必要になりますが、職種に関わらず持っているだけで高く評価する会社も多いです。
3級が個人経営の会計、2級が株式会社を前提とした学習内容になっているので、できれば2級まで取得したいところです。ちなみに「簿記検定」と言われるものには「日商簿記」と「全経簿記」がありますが、全経簿記は認知度も社会的評価も低いためあまり武器にならないので注意して下さい。
簿記だけのことではありませんが、経理として求められることは経験です。持っているだけではほとんど意味がありません。自分の今まで行ってきた経験やどのぐらいの規模の会社の経理に携わってきたかが重要になります。ちなみに過去、簿記1級の資格を持っている方より、経理経験5年という人の方が企業からの反応が良かったことがありました。資格だけ持っていて実績が無いと「頭でっかち」な人と見られ、かえって敬遠されることもあります。
秘書検定2級
おすすめ度:★★★☆☆
「人柄の育成」ともいえる資格が秘書検定です。資格の勉強内容としては、お客さまにお茶を出す際のマナーや座る際の席順、ご挨拶のお礼文といったビジネスの場では欠かせない常識を学べる内容となっています。他にも財務分析や簡単な法律知識など広く浅く学ぶことができます。特に女性としては業務で学ぶことも多いですが、資格として客観的に証明することもできます。
気が利くスキルとして、女性に人気な資格です。特に事務職として後から教えてもらうことよりある程度知識として備わっていると、よりその行動の意図がわかってきます。就職活動を控えた大学生にも人気な資格で、企業としての見る目も近年変わってきました。
ビジネス文書検定2級
おすすめ度:★★☆☆☆
社会人になると、年賀状や暑中見舞いと行った恒例の行事の際にはお客様へ文書を書く必要があります。
「拝啓〇〇様 貴社ますます・・・敬具」といったビジネスの場では書けることが当たり前の文書です。しかし、書けない人も非常に多いのが現実です。一般常識でありながら高校や大学では習わない部分のため知らないのは当然なのです。最近の会社では、こういった資格を勉強させ、入社前に会社として受けさせるところもあります。
持っていると有利になるその他の資格
以下の資格は、私の派遣紹介実績の中で企業の反応が良かったものになります。
ビジネス実務法務検定2級
おすすめ度:★★★★☆
法務・特許関係のお仕事に人気です。その他ビジネスシーンで起こり得る法務について学ぶことができます。
FP2級
おすすめ度:★★★☆☆
金融・不動産・経理関係のお仕事で非常に役に立ちます。
TOEIC600点以上
おすすめ度:★★★☆☆
外資系のお仕事に人気です。600点以上でなければ書かない方がいいです。英検であれば2級以上で記入できますが、TOEICの方が社会的評価が高い傾向にあります。
宅地建物取引士
おすすめ度:★★★★☆
不動産関係はもちろん、その他法律関係を網羅的に含んだ資格なので全業種で高く評価しています。職種に関係なくても持っているだけで資格手当が出る会社もあります。
ITパスポート、基本情報技術者
おすすめ度:★★☆☆☆
IT関係のお仕事に人気です。認知度が高いのに難易度が低いので実はおすすめの資格です。
簿記2級以上
おすすめ度:★★★★★
会計事務所や経理・財務のお仕事に人気です。「簿記1級以上」を条件にしている会社もあります。
社労士
おすすめ度:★★★★★
人事・労務・総務関係のお仕事に人気です。国家資格で非常に難易度が高いのですが企業からはとても人気です。人事関係の法律資格なので派遣社員として働く上での知識もつきます。
資格を駆使して実務で活かす
資格を持っていても、それを使いこなせなければ何も意味を持ちません。お勉強上の知識は使わないとどんどん忘れてしまいます。従ってTOEICのような「更新」を前提とした資格が企業としては分かりやすい指標になるようです。
特に経理の仕事は、簿記を持っていることと同時に実務経験を問われることがほとんどです。会社によっては「簿記2級に相当する仕事をした経験」といった資格以上に経験を問われることもあります。
資格をこれ見よがしに履歴書に書く人もいますが、印象としてはもちろん良いものの、本当にその資格を扱える程の経験を積んできたのか必ず問われます。資格は取るのがゴールではありません、取得してから「どれだけ業務に活かすことができたか?」が重要になってきます。